月刊「BOSS」3月号は、品川正治さん(84歳)経済同友会終身幹事のインタビューが掲載されていた。「なるほど」と共感 以下抜粋して紹介する。全文は雑誌を立ち読みでもしてよ
いまや数少ない、貴重な財界のご意見番、良心といってもいい。その品川氏に、最近の財界の体たらく、その原因、再生について聞いてみた。とインタビュー記事の書き出しが始まる。
人間を見ない経営に原因
聞き手 昔は「企業内失業者」っていう言葉があったんですよ。不況になって国が雇用政策を打つ前に、一企業として何とか歯を食いしばって社員を支えるという意味。そういう意識がかつての経営者にはあったんです。たとえば新日鉄も昔、六割創業という時期があったけど、企業内失業者を抱えながらも、営々と経営を続けていった。そういう概念がまったくないでしょう。
品川 円安も手伝って、これまでの好景気でトヨタが貯めたお金は十二兆円とも言われています。本当だとしたら、三百万円の年収の人を四百万人雇える額なんですよ。それでいて、真っ先に一番弱い人から切っていったわけですから。
聞き手 しかも、御手洗さんの郷里である。大分県のキャノンの工場でも派遣切りをしたわけでしょう。そのうち見るに見かねて、大分市のほうで「雇える人は市で雇用する」と。御手洗さんは恥ずかしくないかと怒りを覚えるし…(略)…この五年から十年ぐらいの間、日本の財界の存在感をすっかり崩壊してしまい、単なる野合の集になってしまいました。あまりにも倫理観に欠けていて、財界人の総入れ換えをし、新しい財界の秩序というものを取り戻してもらいたいですね。
品川 …(略)…いまの財界の凋落要因は三つあると思うんです。戦争体験者が減ってきたこと。二つ目は商売での成功体験を自分の哲学にしてしまっていること。三つ目は米国留学組が多いこと。経済の繁栄はみんなで分け合ってというのが日本の資本主義だったんですけど、いまの人たちは「そんなものは修正資本主義だ」と。正統な資本主義はアングロサクソン型だと決めつけてしまっている印象があるのですよ。…(略)…規制緩和は、大企業が潤うための緩和になってしまい。地方や中小企業が疲弊してしまった。市場原理主義が正しいという意識を日本人に持たせてしまった。
聞き手 そう、業績や株価、時価総額など通信簿ばかりが気になって、財界人としての人格形成の部分が置き去りにされてしまったんです。
品川 株価や物言う株主対策に振り回されて、いまの経営者は可哀想なところもあるんですけどね。そこに振り回されたら駄目だと、毅然として言える経営者じゃないと。金融資本主義の横行で人間を見ようとしない経営者が増え、その馬脚を現したのが昨年たったんですよ。
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