総選挙終盤のころ、朝日新聞夕刊に連載されている「窓」…論説委員室から…に板垣さんという論説委員が「福祉社会の姿」と言う一文を書いていた。記事は次の通りだ
子ども手当は評価しない 55%
自民党、民主党の公約に掲げられた政策の財源に不安を感じる 83%
朝日新聞の世論調査で、こんな数字が出た。聞こえのいい政策に期待をふくらませるどころか、有権者の視線は驚くほどさめている。
理由は明らかだ。これから働く世代が減り、お年寄りがさらに増える時代を迎えるなかで、どうやって必要な社会保障の給付を守りながら制度を維持していくかという肝心の疑問に、政治が答えていないからだ。
むしろ、聞こえてくるのはお年寄りも若者も負担を軽くします、サービスは厚くしますという。手品のような話ばかりだ。無理はない。
日本の社会保障の支出は、先進諸国の中でも低い。不十分な制度を補ってきたのは、家族や地域の支え合い、会社の福利厚生などだったが、時代とともにその支えも細ってきた。
社会保障の立て直しが必要なことは間違いないが、制度を支えるための費用をどう分かち合うのか。そもそも、貧富の差を小さくする再配分重視の社会をめざすのか、それとも経済成長を重視し、税金や社会保険料の負担はできるだけ小さくする社会なのか。知りたいのはそうした基本の考え方、将来の社会の姿だ。
社会保障のありかたがようやく真正面のテーマになってきた。「中福祉」とか「友愛」とか言うだけでなく。もっと中身を語ってほしい。
この記事が出てから2ヶ月が経った。所信表明と代表質問をとおして「中身」が見えてきたのだろうか。11月から始まる「予算委員会」などの論戦を通じ、新しい日本の姿が見えるようにしていただきたいものだ
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