「理念」をわかってい欲しいと言っていたけど、友人のブログで下記の記事が紹介されていた
子どもとお年寄りの「いのち」を守る社会保障制度が必要だ
「介護」も「子育て・教育」も、「自己責任」って言う枠に押し込めないでくれ
貧困とサービスへの理解不足が影落とす 関の介護殺人事件
(中日新聞 2010年1月27日 17時37分)
岐阜県関市で昨年7月、自転車修理・販売業野沢伸一被告(61)が在宅介護で寝たきりの母静さん=当時(83)=を殺害した事件で、殺人罪で起訴され拘置中の同被告が本紙の取材に書面で答えた。
施設介護に頼らなかった理由を「お金を持っていなかった」などと回答。
介護に専念して家業の収入はゼロに近く、事件には「貧困」と介護サービス自体への誤解が影を落としていたことが浮き彫りになった。
野沢被告は独身で、自転車店を継いで両親と3人で同居していた。
2003年に父が亡くなってからは母親との2人暮らし。
警察の調べでは、事件当時の野沢被告の年収は、静さんの年金と亡父の遺族年金で得られる年額120万~130万円程度だったとみられる。
野沢被告は施設介護について
「自分も母親も、良くない印象を抱いていた」と答え、介護サービスに対する理解不足も事件の要因になったとみられる。
犯行動機は
「母親は時には死にたいと言っていたし(リウマチの)痛みも増していた。
自分も命を絶ち、(2人とも)楽になりたかった」と語った。
現在の心境は「申し訳なかったと思う半面、これでよかったのではないかとする気持ちが半々」と述べた。
取材では、本紙の5項目の質問内容に対する野沢被告の回答を、国選弁護人の浦田益之弁護士が書き取った。
浦田弁護士によると、同被告は人付き合いが苦手で接見でも口数が少なく、今回の質問への回答は計7回の接見内容も踏まえてまとめたという。
公判は、2月2日に岐阜地裁でスタート。
介護殺人事件をめぐる裁判員裁判は中部地方初で、在宅介護で行き詰まった経緯の解明が焦点になる。
◆一問一答
-在宅介護を続けた理由は?
介護は在宅でするものと考えている。
店に来る客が『施設は親身になって見てくれない』とも言っていた。
母親も頑として施設に入るのを嫌がっていた。
費用も1カ月18万円くらいかかると思い、施設での介護は良くない印象を抱いていた。
お金を持っておらず、それ以上調べる必要も感じなかった。
-殺害のきっかけは?
(事件の朝は)いつもと違って母親が(ベッドで)目をつむったままだったので、このまま楽にさせてあげようと考えた。
母親は時には死にたいと言っていたし、ここ1週間、痛みも増していた。
自分も命を絶ち、楽になりたかった。一緒に死ぬことしか考えなかった。
殺害をするのに手間取ってしまい、張り詰めた気持ちがなえ、(後を追う)きっかけを失った。
-母親に対して今はどう思っているか?
殺害に及んだとき母親は意識もあり、両手を動かすこともできた。
だが、両手を伸ばしたまま両脇にくっつけるような姿勢をとっていたので、自分が何をしようとしているかを知り、それを容易にさせようとしていることが分かった。
心の中で何回もごめんねとつぶやいた。
申し訳なかったと思う半面、これでよかったのではないかとする気持ちが半々。
【関の介護殺人事件】
2009年7月25日午前5時ごろ発生。
野沢伸一被告が同居する母静さんをモンキーレンチで殴るなどして殺害。
野沢被告は「介護に疲れた」と、近くの交番に自首した。
岐阜地検は同年8月、殺人罪で野沢被告を起訴した。
静さんは30数年来のリウマチで、最近5年ほどは寝たきりだった。
野沢被告の刑の減軽を求める嘆願書には同級生や近隣住民ら7600人分の署名が集まった。(中日新聞)
こんな悲しい残念な事件が二度と起きないような社会をめざしたい
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