ある新聞の書籍紹介欄で目につきAmazonに発注していたエッセイ集が届いた
ドイツ文学者の池内紀さんの「世の中にひとこと」だ、信濃毎日新聞夕刊に連載中のコラム「今日の視角」をまとめたモノだ
春夏秋冬で章立てしてあり、「春」から読み初めて最初のページ「人生の祝日」で、すっかり虜(とりこ)になった。(早すぎるかな(^^;))
ちょとだけ紹介
年のはじめに、まずすること。
月めくりのカレンダーにしるしをつけていく。四月、五月、六月、九月、十二月、春・初夏・初秋・年末、なんとなく好きな時節だ。それぞれの月の十日から二週間を赤線でかこむ。
自分のための休日である。「ハタ日」であって、いわば人生の祝日。国が決めた祝日とちがって、とびとびになったり、日曜とかさなったりしない。週末をすっとばしてもいいから、遠出しても、こみ合う恐れがない。
以前から目星をつけていたところへ出かけていく。
…中略…
断りの理由も用意しておく。断固として予定を入れない。人生の祝日のない人生はつまらない。
北海道の原野のはずが手近な房総行きになったり、もっと縮小して、夫婦で映画を見て、文房具屋をひやかして、食事をして帰ってくるだけのこともある。ハタ日の祝い方はフトコロぐあいともかかわっている。さまざまあっていいのだ。要はおさだまりの日常から、ちょっぴり外へ出る。
ときおり世間と適度のへだたりをとってみる。すると、この世の終わりのように騒いでいるナントカ評論家にも、まるきり語りかける言葉を知らないニッポン国の首相にも、冷静でいられる。考えるための余裕ができる。赤いボールペン一つで自分のための一日がつくれる。
年度末と年度当初に全てを集中させなければと…焦る毎日…ほっこりした気分に導いてくれそうなエッセイ集だ
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