この写真は、石垣島を出航した高速船から撮ったものだけど、大地震に見舞われたハイチのすぐ隣の島国・キューバに医療事情など視察に行っている友人を通じて、キューバ共和国大使館から「キューバが支援」している様子が伝えられた。
吉田太郎著「世界がキューバ医療を手本にするわけ」や、マイケル・ムーアの映画「シッコ」で国際人道的な医療の状況が伝えられているが、大使館発の文書も読んで支援とは何かを考えて欲しい
ハイチにたいするキューバの医療援助の主要点、地震以前および地震を通して
キューバ大使館資料
2010年1月20日
キューバ国民の連帯は地震発生でハイチに届いたわけではない。キューバのハイチ兄弟国民にたいする協力はすでに10年以上前から続いている。ハイチでの地震発生時には、約400人のキューバ人協力者が無償で献身的に働いていた。
キューバ人医師は地震発生直後からその活動を開始した。地震発生後72時間以内にハイチ国民が受けた医療支援で最も重要なものであった。事実上、その時点での唯一の医療支援であった。
1月13日、さらに60人を超える医療協力者がポルトープランス市の現地に入った。その中には同様の自然災害で経験を積んだ緊急事態対応「ヘンリー・リーブ部隊」の専門家たちがいる。この医療部隊は薬品、非常補給食、食料、血清・血漿バッグを携行した。
1月14日木曜日20時までに、ポルトープランス市内5カ所の支援センターで1,987人を診療し、111件の外科手術を行った。カンパニャ・デ・アネクソ病院、ラ・ルネサンス病院、オファトマ病院、グラン・ゴアブ総合診断センター、ミレバレ総合診断センターの5ヵ所であり、後者2センターは首都郊外にある。
さらにハイチの地方部のキューバ人医療協力者は6番目の医療センター、デルマ33病院で活動を開始した。
キューバで医師としての教育を受けた約400人のハイチ人青年が、この非常事態下で救命のためキューバ人部隊を支援して現在、働いている。
米航空機に対し、キューバ東部地域の領空使用を要請があれば即承認するという公表済みの情報を我々は確認している。
キューバは、ハイチ国民を助け、一人でも多く救命するために現場で米国を含むすべての国と協力する用意がある。キューバはハイチ国内に人員および必要なインフラを有しているからである。現在、キューバはベネズエラ、ナミビア、ノルウェーと協力している。キューバは中国、ドミニカ共和国、メキシコ、ロシアとも協力している。
パンアメリカン保健機構(PAHO)に対し、ハイチでの医療支援を確実なものとするためのロジスティック支援、使い捨て外科用品、病棟支援機材、その他必要な物資を依頼した。
1998年12月からキューバは「総合保健プログラム」を通じてハイチ国民に医療協力を行ってきている。
今日までに6,094人の協力者がハイチの医療部門で活動し、1,400万回を越す診療を行い、225,000件を超す外科手術、10万回を超える出産に対応し、23万人以上の命を救った。2004年、ハリケーン・ジーンがゴナイーヴ市を通過した後、キューバは64人の医療チームと薬品12トンを用いて支援を行った。
キューバとベネズエラが建設した総合診断センター5ヵ所は、地震発生前からその活動を行っていた。
2004年から「奇跡の手術」がハイチで実施されている。2009年12月31日までに計47,273人のハイチ人が手術を受けた。
現在、キューバで660人のハイチ人青年が勉強しており、541人が医師になるための教育を受けている。これまでにキューバで917人の専門家が養成された。うち570人は医師である。
キューバがハイチと協力している分野は医療、教育のほか農業・エネルギー・漁業・通信分野である。教育分野でのキューバの協力の結果、ハイチ人160,030人が読み書きができるようになった。
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