今日紹介したい文書は、中小企業家同友会の機関誌で紹介されていた「品川正治さん」の講演記録の最後の部分全文をご覧になりたかったら「ウェイブマガジン・カムイミンタラ」で検索してください 是非読んでくださいね。
品川さんが訴え続けられている「日本」を2010年代には実現したいと願う
2009年6月6日、「グリーン九条の会」が主催する講演会『品川正治氏 21世紀の世界と日本の座標軸を語る』が札幌グランドホテルで開かれました。グリーン九条の会は、現日本国憲法九条を守ろうと2004年に発足した「九条の会」に触発され、2008年10月に北海道で新しく結成した九条の会です。「九条の会アピールに賛同する」「経済の視点から平和を考える」を趣旨としています。
政権交代という日本の劇的転換点となった8月30日の衆議院議員選挙から2カ月。品川さんのこの日の講演内容はその先見性を示し続けています。
戦争を起こすのも人間 戦争を止めるのも人間
戦争を人間の目で見た日本国憲法 経済も人間の目で
「グリーン九条の会」主催 品川正治氏講演会より
国民が主権を発動すること、それが私の最大の願い
このように、資本主義の型というのは、どう耐えていくか、その間どう国民に負担をかぶせないでやっていくかを日本が本気で考えれば、日本型の資本主義とはこういうものだという形が出るだろうと思っています。まだ私にはわかりませんが、とにかく一極支配でない以上、イギリス型もできればフランス型でもできる、ドイツ型もできる、あるいはEU型、中国型、いろいろな形ができるでしょう。
しかし、日本の場合は先ほど言ったように、世界でたったひとつ、「憲法9条」(※2)をもっている国です。これと「憲法25条」が、去年の年越し派遣村でドッキングしました。これは大きいことなんですね。
先ほど私が、人間の目をした経済をどうしてやれないかと言いましたが、それはこの憲法25条のドッキングにより私にとって夢ではなくなりました。もうどちらを選ぶかという問題に近づいてきたという感じを受けるわけです。
最後に、私はここでみなさんに強くお願いしたいことがあります。冒頭で私は日本国憲法のもとで主権者の一人として生きてきたと言いました。ここでもういちどみなさんに、自分が主権者だということを確認していただきたいのです。
私は経済団体に関係しておりましたから、日経連や経団連、経済同友会の総会などの現場に立ちあっていますが、経団連の総会でもきょうの講演会のような人数は集まりません。たしかに経済界というのは、ヒエラルキー(注5)が出来あがっています。トヨタ自動車の豊田章一郎さんと、トヨタの販売店の子会社、その社員の人とは、10万対1どころか100万対1くらいのヘゲモニー(注6)の違いはあります。しかし、選挙とか国民投票ということになれば、豊田章一郎も1票しかありません。みなさんとまったく一緒なのです。
そして主権者としてのみなさんは、日本とアメリカとは違う、ということを自覚してほしいと思います。アメリカは原爆を落とした国、日本は落とされた国です。それだけでも違います。資本主義も違います。それを言ってしまえば、言い切れば、日本の政策はずいぶん幅が広いとなるわけです。しかも世界第2位の経済大国です。「日本はアメリカと違います」とひとこと言っただけで、アメリカは世界戦略を変えざるをえないでしょう。アメリカが世界戦略を変えるということは、世界史が変わるのです。そのことを決定できるのは、役人でもなければ外交官でもありません。主権者たるみなさんの決定に待つわけです。
みなさんが世界史を変える立場にある。それは日本史のなかではおそらく初めてのことではないでしょうか。「日本とアメリカとは違います」とひとこと言ってしまえば、世界史が変わるのです。それを言う機会というのは、これからいくらでもあります。次々と出てくるでしょう。「違います」と、ひとこと言ってしまおう。主権者として主権を発動していただきたい。これが私の最大のお願いです。
札幌まで出かけてきた私にとっては、札幌のみなさんを心からそういう形で支援したい。私のような老齢の人間は、もう世界史が変わることを見ることはできないでしょう。しかしみなさんには、子どものために、孫のために、あるいはみなさんご自身のために、「世界史が変わるのはもう目の前に来ている」ということをはっきりと確認していただければ、私のきょうの話はこれに勝ることはないと思います。
どうもご静聴ありがとうございました。
※ 「憲法九条」【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】
第一項
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
第二項
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
※ 「憲法二十五条」条文
1.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
(注5)
ヒエラルキー=階層制や階級制のことであり、主にピラミッド型の段階的組織構造のことをさす。ヒエラルヒーともいう。
(注6)
ヘゲモニー=主に政治活動において、主導権あるいは指導権の意
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